かつてこの地の牛飼いたちは、
1本のナイフを“生涯の友”として大切に使った。
1日の仕事を終えると、大地に突き立てて祈ったとも伝えられる。
ミシェル・ブラスが「静寂が支配し、光が満ちる場所」と表現する彼の故郷、オーブラックの高原は、フランス中南部に位置する。春から夏にかけては、どこまでも続く豊かな緑の草原に花々やハーブが香り、ミツバチたちが飛び回る。ミシェル・ブラスの料理を象徴する一皿である「ガルグイユ」は、そんな光景からインスピレーションを得て誕生したという。
また、レストラン「ル・スーケ」があるライヨル村は、世界中の一流ソムリエたちが愛用することで知られるライヨル・ナイフの産地としても有名。古くから、この地の牛飼いたちが使っていたナイフが原型と言われている。
オーブラックの高原に溶け込むように建つ
レストラン「ル・スーケ」。
70種類以上もの季節の野菜やハーブや花々が、
美しく配された「ガルグイユ」